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【前編】宮地 藤雄「自由な中にも必要なルールの大事さを感じて欲しい」
今回はトレイルランニング・宮地藤雄選手にお話を伺います。トレイルランニングとは山の中などの険しい道を駆け抜ける中長距離走のことで、宮地選手は本場ヨーロッパを中心に、特にマウンテンランニングという種目でご活躍されています。また子供達に対し、自然を楽しみながら体を動かすことを競技を通して伝え続けています。
-宮地さんのスポーツ経歴を教えてください。
まず、実は基本的に僕は文化系なんですよ(笑)
-いきなり衝撃の事実ですね。ほとんどのトップアスリートの方は早い段階で部活などに打ち込んでいた経歴をお持ちです。
僕は学生時代生徒会に属していました。体育会系には馴染めず、運動部は半年も続きませんでした。小学校〜中学校までは自分自身が太っていたこともあるのですが、体育の授業がある日の朝は具合が悪くなったり、授業前になると謎の頭痛が起きたりするような子でした。
-本当に嫌いというか、嫌だったんですね。
そうですね。特に縄跳びや跳び箱は本当にダメでした。
-運動に目覚める転機は何だったのですか。
中学時代は毎年20kmのマラソン大会があったんです。中学1、2年までは当然後ろから数えてすぐ、のような順位でした。ただ、中学で何も残さないのもよくないと思い、中学3年時に1、2ヶ月練習をしたんです。少し外を走るくらいですけどね。そうしたら、順位がちょうど真ん中くらいになったんです。運動もやれば出来ると感じたことが最初の転機です。そこからスポーツというものに少しずつ興味が出てくるようになりました。
-高校時代も生徒会に属していたのですか。
はい。文化祭や体育祭などのイベントを企画してみんなに喜んでもらうということが好きだったので、学生生活の主体は生徒会でした。
-大学時代はどのような生活を送られていたのですか。
大学では社会(地理・歴史・公民)の教員免許を取りました。それで教育実習に行くのですが、授業だけでなく部活も見ることになって、陸上部を任されました。でも当時は100mを走っても、腕相撲もしても生徒に負けるような状態でした(笑)その後教育実習が終わってからもコーチという肩書きで、陸上には携わることになります。
-なるほど。トレイルランニングとはどこで出会ったのですか。
27歳の時に、スポーツ用品店に大会のチラシがあったんです。それを見つけて、出てみたことがきっかけです。
-なかなかトレイルランニングの大会に出ることは勇気がいるように思います。
御嶽山が第1回大会のレース場所だったのですが、1回目の開催なので、レースの写真が無いわけです。チラシに描いてあったのはマレーシアにあるキナバル山(4,095mの岩山がある)でした。このような場所を自分も走ってみたい!と思ったんです。
-でもその写真は海外で、大会の会場ではなかったわけですね。
その通りです。行けども、行けども、その岩山はありません。その頃は無知でしたね。しかも滑落したら200mくらい落ちます、と事前に注意を受けていました(笑)でも、必死な思いで走ったことが凄く楽しかったんです。
-その後写真にあったキナバル山には本当に行かれたんですか。
御嶽山の大会と同じ年の秋に行きました。そもそも、そのチラシの風景を見るために大会に出たわけですからね。泣きそうな思いをしながらも完走しました。そこからトレイルランニングにのめり込みました。そのうち競技自体も第一次トレイルランブームのような形で少し人気が出てきて、いつしか講師として呼んで頂く機会や、サプライヤーの方々と出会うような環境ができてきましたね。
-トレイルランニングについて、宮地さんの得意な種目を教えてください。
まず知らない方も多くいらっしゃると思うので言っておくと、トレイルランニングは1つの競技の名前で、実は中に種目がたくさんあります。陸上で言えば100m、幅跳び、ハンマー投げ等があるように、トレイルランニングの中に一気上りの部や、ウルトラの部などが存在します。私はその中のマウンテンランニングという部に特化をしています。
-宮地さんが活動拠点とされているのはどこですか。
大会はヨーロッパで行われるものに出場しています。一昨年が年間23位、去年は怪我もあり25位でした。今年の目標は20位以内です。20位以内は表彰式で呼んでもらうことが出来ます。
-ヨーロッパですと遠征費等がかなりかかりそうですね。
年間6回ほどヨーロッパに行くので、合計400万円くらいかかってしまい、大変です。イベント運営及び法人・個人のスポンサーの方にも助けて頂いています。
-ご自身でトレイルランニングの大会も企画されていますよね。
生徒会でもそうでしたが、自分が企画したもので人に喜んでもらうということが本当に好きなので、大会自体も企画・運営をしています。
-大会をご自身で開催される上で意識していることはありますか。
ジュニアの大会は特に多く開催するようにしています。そこで友達を作ったり、時には怪我をすることもありますが、野山を走り回り、物凄い斜面を登ってみたりするという行動は、楽しみながら運動神経をつけるのに最適で、どのスポーツにも後々役立つと思います。そういった経験を普段からしてほしいですね。他にもコース上で人に会ったら挨拶する、コースのマーキングは自分で探す、等しっかりと最低限のルールを作ることによって、自由な中にも必要なルールの大事さを感じて欲しいと考えています。
宮地藤雄選手オフィシャルサイト「Run All Over the World」はこちら
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